寒国しろくまと夢のたび

カナディアン夫と暮らすトロント在住フォトグラファーの思考録

サマーです。

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トロントの夏は美しい。

街のあちこちにある公園はとにかく広く見晴らしがいい。緑と青の完璧なコントラスト。マウンテンバイクを木陰におろし一休みするおにいさん。お昼寝中のカップル。ピンクや紫のサリーをまとった南アジア系のママたち。大きなハスキー。白髭革靴にだぶだぶのデニムジャケットのじいさん。ベンチで大笑いしている老夫婦。

こんな光景がたまらなく好きだ。ペンキがあれば空に「自由」って書きたい。

漢字だと尾崎臭がするから、「Freedom」がいいか。

とにかくこの「混ざってて当たり前」な感じはとても心地がよい。

トロントの人や文化への寛容さは、もはや空気のようになっていると思う。

自分の所属や存在をいちいち確認しなくても、もうすでに受容されているような感じ。

 

 

結婚して再びトロントへ戻ってからは、夫の家族と暮らしている。義理の母と叔父は中国系ベトナム人で、基本的に家では広東語で喋る(わたしと話すときは英語)。マンダリン(いわゆる標準語)に比べてスラングが多く、語調が強いので常に喧嘩腰のように聞こえる。来たばかりの頃は聞くこと自体にかなりストレスを感じていたが、今は大分慣れた。 慣れはしたが音として心地よく感じるのはやはり難しく、広東語に関しては喋れるようになりたい!という意欲も特にないので、ごく簡単な表現だけ覚えてあとは聞き流している。

 

義理の妹は、トロント生まれトロント育ち。英語が母国語で歳も近いのでよく話す。肌が浅黒く南米人のような体つきで声も低めで落ち着いているので、一緒に住む前は年の割に大人っぽい印象だったが、よく話してみるとやっぱりお年頃のピュアな女子大生なのだった。男兄弟しかいないわたしとしては、義妹とのショッピングや恋話はとても楽しい。昨日は付き合って5ヶ月の彼氏にもらった誕生日プレゼントがセックス・トイだったらしく、かなり荒れていた。

 

 

月末は夫と日系エージェントのイベントを手伝っている。フォトグラファーが主だが必要に応じて英語の翻訳もする。

加えて夫の職場に日本人女性が多いこともあり、ここ数ヶ月で新しい日本人の友達がかなりできた。トロントに来ている日本人と言ってもいろんな人がいて、それぞれ境遇や目指すものや価値観が違ったりして話すと面白い。他の国に長く住んでいた人の話なんか聞くのも新しい発見があって楽しい。

 

あと1週間ほどで、日本へ一時帰国する。

食べ物とか温泉とかいろいろある中、今回一番の楽しみは数年ぶりに弟たちと再会することだったりする。なんだかんだで大人になっても仲が良い。小さいころよく遊びに行っていた海でキャンプをする予定。夏のトロントは美しいと書いたが、美しい海という点では私の故郷には勝らない(というよりトロントには海がなかった)。夏といえば海でしょう、と思う。矛盾。いやまあ日本もトロントもどっちも綺麗ね。みなさま、よい夏を。

 

 

 

はじまりはじまり

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某友人に感化され、ブログを始めることにした。

 

南国から寒国へ。ど田舎から世界の大都市へ。勤めていた高校を退職後、カナダのトロントへ留学。そこで出会ったカナダ人男性と一年ほど前に結婚、カナダに移住。

 

まだまだひよっこだが、フォトグラファー。写真が好き。撮るのも、人が撮ったのを見るのも。今春、夏は今まで未開拓であったポートレートに挑戦すべく、多様なバックグラウンドを持つトロントニアンたちをモデルに撮影を行っている。 

 

カナダへ留学したことをきっかけに人生が思わぬ方向へ転がり続けている。本来ならば今ごろ地元の高校の教壇で古文やら漢文やらを教えながら、同級生たちのように毎日慌ただしく働いているはずであった。

 

冬には-20℃なんてザラの極寒の地で、白熊のような夫とその家族と質素な生活をしながらそれなりに自分のやりたいことを自由にやっている。将来的には、料理人である夫と「夫婦でちっこいカフェでも開こうか、日本で。」なんて話している。それもまた楽しそうで、すでにわくわくしている。

 

ブログと言っても正直何を書けばいいのやら…という感じなので、とりあえずカナダでの暮らしやそれを通して考えたことなどをまとめることから始めてみる。ワーホリ時代の経験、国際結婚のなにそれ、写真のことなんかについても、そのうち書いてみようと思う。アウトプットだいじ!!と、某友人は言っていた。

が、がんばろう!