寒国しろくまと夢のたび

カナディアン夫と暮らすトロント在住フォトグラファーの思考録

つれづれ

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現在、ニューヨークへ向かうバスの中。

移動時間中ひまなのでなんか書いてみる。

 

 

なんでNY?

 

 

というのも先日、申請していたカナダの永住権がやっと降りたとの報告を政府から受け、最終プロセスとして国外に一度出る必要があったからだ。

プロセス上、配偶者である夫も同行せねばならず、仕事もあるので2泊3日くらいでひょいと行けるいちばん近くて手軽な場所がいい。それがNYだった。

 

2時間ほど走ったあと、国境で全員バスを降ろされ、入国審査と持ち物チェックを受けに小さな建物へ入る。入国の目的や泊まるホテルなどの簡単な質問に答え、指紋を取り、カードを記入して荷物を機械に通して終了。

アメリカの入国審査って厳しくてオフィサーもみんなムスっとして怖いんだろうなと勝手に思っていたが、夜9時すぎだったからなのか、同僚どうし雑談しながらゆるゆるとやっている感じだった。

 

「俺の18の息子、入国審査中にビビっちゃって母親に電話したの。そしたら応答放棄で逮捕されちゃった!みんな、審査中はママに電話しちゃダメだよ!」

とおじちゃん審査官。同僚全員爆笑。なんというかいい意味で拍子抜け。息子の逮捕は笑いごとなのか?という疑問はさておき、まあ尋問されて嫌な気分にされるということも全くなく平和に終わったのでよかった。

 

今は20分間の休憩で、ターミナル内にあるTim Hortons(カナダのコーヒーチェーン)でキャラメルマキアートを買って飲んでいる。はじめて飲んだけど激甘。

 

 

 

 

 

 

 

最近はいろんなことが一気に動き出して多少バタバタしていた。

準備期間を含めた約1年半を経てやっと永住権が取れたこと。永住権が取れたことで労働許可が出て(ほんとうに嬉しい)、つい昨日面接に行ったお店でお仕事をゲットしたこと。4月から夫と2人で住むのに最適な場所を見つけ、どうにか契約にこぎつけそうなこと。

 

節目というか、そういうタイミングの時ってほんとうに面白いくらいポンポンポンっと物事が決まっていくのが不思議。

 

あ、あとデザインの勉強(独学)はじめて2ヶ月しか経ってないのだけど、友人や夫繋がりでヨガのレッスンの告知や店のメニューをデザインしてくれと頼まれてちょこちょこ時間のある時にやっている。練習するチャンスをくれる人が周りにいるのはありがたい。パソコンや編集ソフトの扱い方に疎いもので、5分に一回くらいは「これどうやってすんの」→調べる→試す→うまくできない→さらに調べる・・・というようなことを繰り返しながら進めている。デザインってほんとに地味な作業の繰り返し。けれど実践を通して少しずつできることが増えていくのは楽しい。もっとチャンスをもらえるように、色んなところで言いまくろうと思う。

 

 

 

これはつい先週の話。いいことがあったので書き記しておく。きょうは思いついたことを書いているのでころころ話が変わります。

 

その日はなんとなく家にいても落ちつかず、何をしても脳がざわざわする感じがしていた。やるべきことは色々ある。でもなんか手につかない。ここ10日ほど、こういう、なんとなく家にいたくない日でもあれこれ理由をつけて自分を納得させ、家に1日いるというパターンが続いていた。 外寒い。今日は地下鉄のマンスリーパスが使えない(パスを義理妹とシェアしていて、彼女が使う日に外出したければ自分で交通費を払うしかない)。パソコンで作業したいけど運ぶにはデカいし重い。行ったはいいが席が空いてないと面倒・・・という具合。 結局やり過ごして、ざわざわやモヤモヤはそのまま残る。

 

 

この思考と行動のルーティンに気づいた瞬間、これはいけないと思った。この日はすぐさまパソコンをバックパックに詰め、メイクをし、Google Mapに保存してある中で今いちばん行きたいと思うカフェの位置と行き方を調べた。パソコンをカフェに持ち出すのは初めてだった。大学の入学時に買った今ではもう厚くて不恰好な、しかも画面が少し故障しているパソコンを担いでお洒落なカフェへ行き、Macで涼しげに作業する若者たちの隣に座るのは気が引けて、一度も今までやらなかった。単純に重いというのもあるけど。これはわたしにとって完全にnewな行動である。しかもこの日選んだのは(えいッと直感で)、わたしが3年もトロントに住みながら全く未開拓の地域にあるカフェ。無駄な思考が湧いてくる前にとにかく無心で準備し、家から5分ほどのバス停でバスを待つ。

 

 

 

このカフェがものすごくよかった。先月は例のごとく10ヶ所くらい新しいカフェを開拓していたのだが、それらを含めてもここがいちばん好きかもしれないと思うくらい雰囲気の良いカフェだった。店員はみなフレンドリーで、接客も丁寧。ドリンクを待つ間も全然退屈しなかった。うち1人は帰る直前にも話しかけてくれて、写真をやってるんだ、と自分が撮った作品を見せてくれたりした。しかもしかも、わたしが大好きなシリーズの紅茶の缶が全種類置いてあった(なかなか置いてるとこない)!!表の黒板にあるコーヒーメニューを眺めていると、「もしティー派なら、こっちのメニューもあるよ」と教えてくれた。ヘブンリー・クリームという名前の紅茶でラテを作ってもらった。このヘブンリー・クリーム、名前のみならず缶もピンクで上品で可愛いのです。しかも美味しい。

 

店内は広すぎず、狭すぎず、インテリアも温かみがあって落ち着く。常連やご近所さんがよく立ち寄るローカルなお店という感じだった。

初めてきたけどすごくいいお店だね、と伝えると、「もっと頻繁においでよ。次は君の写真も見せてほしいしね」と言ってくれた。帰りは西日が差していて気分もよかったので少し通り沿いを歩いた。 

 

歩きながら、じぶんの心の声を聞き、行動パターンを一新したことがこういうよい人や場所との出会いに繋がったんだなと思った。これまでウジウジもやもや家にいたことが信じられないくらい清々しい気持ちになっていた。同じ行動パターンを繰り返していると、結局その行動に見合ったことしか起こらない。それで幸せなら全く問題ないんだけど、心のどこかで「何か違う」と思っているなら(今回のわたしのように)パターンを壊すようなアクションを起こさないと望んでいるような楽しいことは起こらない。

そして、ちょっとした「ネガティブな気持ち」にもっと敏感になってみようとも思った。その時なかったことにしてやり過ごせても、またいつか同じ状況がやって来てそのパターンを繰り返してしまう。こういうのをスルーしないで気づくのとても大切ね、とおもう。

 

 

夜中になってしまった。

今バスはどこを走っているんだろう。

アメリカのどこかであることは確か(ボーダー越えたんだからそりゃそうだ)。

NYの旅の模様はまた次回書くとする。